脚付き将棋盤の裏側の中央部分にはへこみ(四角形のへこみの中に四角錐が埋め込まれた形状)がある。
この部分の正式名称は「音受け」であるが、俗に「血だまり」と呼ばれ、対局中に横から口を挟む第三者の人間の首を切って、引っくり返した盤を台にして首をそこに置いて血を溜めたという言い伝えがある。
実用上の目的としては、盤に駒を指したときの音が良くなるようにとも言われ、「音受け」の名前はこれに由来する。また、製造工程で盤にひびやゆがみが発生しないようにしているものであり、『日本将棋事典』(2004年)によれば、盤の内部の水分をここから外に逃がしているものである。
ちなみに、将棋盤の脚は伝統的な建築物の装飾などに用いられる擬宝珠(ぎぼし)型の八角形をしているが、その形がクチナシの実に似ていることから、第三者が勝負に口を出すなという意味がある。
盤の脚は八角形であるが、実際のクチナシの実は六角形である。これは、日本の風習として「八」はめでたいというところからきている。手作りのものは、脚の一本がとれてそこに作者の名前が記されている。
画像元:名駒集覧、ひげ爺さんのお散歩日記-2
2017/8/2
カテゴリー「歴史・文化」