かき氷の「キーン」がきっかけで開発された医療機器

かき氷などの冷たい物を食べると頭がキーンとなるのは、脳を循環している動脈が喉に接しており、冷たい物を食べたときに動脈が冷やされて脳に刺激を与えて起こる。

心拍停止状態の人を急いで救うとき、できるだけ早く脳の温度を下げたい。そのほうが細胞を破壊されなくて済む。放っておいて温度が高いと脳内のグルタミン酸の濃度が上がってしまい、脳に障害が残る大きな要因となる。

そこで、かき氷のキーンから開発されたのが脳を素早く冷却する医療機器で、大研医器株式会社と岡山大学が共同開発した「クーデックアイクール」である。
クーデックアイクール
画像元大研医器

咽頭部・食道部に冷却カフを挿入し、冷却カフを介して熱交換する。冷却カフのカフセンサで冷却水温度・冷却カフ圧を監視・維持する。蘇生時に脳を保護する世界初の医療機器として厚生労働省で認可された。

ちなみに、この機器は医療ドラマ「コード・ブルー」第2話で使用された。また、冷たい物を食べた直後にキーンとなる頭痛は「アイスクリーム頭痛」という名前で、医学的な正式名称である。

2017/9/5

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カテゴリー「生活・科学

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