JR東日本の東北新幹線E5系は川崎重工の兵庫工場で製造される車輌で、1つの車輌の長さ約25m、重さ40t以上ある。
できた車輌は製造工場の神戸から車輌基地の仙台まで880kmの距離を運搬する。まずは大型貨物船に乗せられ、仙台まで船で運搬する。新幹線は工場出発から3日後に仙台港に到着する。
そして、人が寝静まった午前0時に新幹線輸送の本番が始まる。仙台港から約8km離れた車輌基地へ2時間をかけて巨大な新幹線をトラックで引いて一般道で運搬する。あまりに長く巨大なため交差点では一般車両を規制し、道路は新幹線専用道路と化す。新しい車輌を傷つけないようにゆっくり慎重に運ぶ。
画像元:電車を撮ろう。
この時、新幹線は車輌の後ろ側を低く斜めに積んで輸送する。これは新幹線輸送の最大の難所である歩道橋で車体を傷つけないための工夫である。
仙台最大の難所は日向歩道橋で、歩道橋の高さは4m61cm。一方、新幹線を積んだ高さは4m72cmで、そのままでは歩道橋を通ることができない。そこでパンタグラフのある後部を斜めに積んで14cm低くし、歩道橋より3cm低い4m58cmになる。そんな新幹線が歩道橋に差し掛かると減速し、歩道橋の下ギリギリの所を通過する。こうして新幹線は車輌基地へと運ばれる。
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ちなみに、車両全体を下げてしまうと坂道で底を擦ってしまう可能性があるため、前方は下げずに後方だけを下げて斜めに積んでいる。
2017/9/13
カテゴリー「乗り物」