全国でも有名なブランドタコ「明石ダコ」は、すでに絶滅していて正確には明石ダコではない。
画像元:明石ダコ
明石海峡の激しい潮流に揉まれて育つ明石ダコは、足が太く短く弾力性がある。そんな特徴から「明石のタコは立って歩く」と言われている。
昭和38年(1963年)に通称「サンパチ冷害」が発生し、記録的な寒波が日本全国を覆い、温暖な海域の明石海峡の水温も4℃まで低下した。タコが生存できる限界の水温5℃を下回り、ほとんどの明石ダコが死滅してしまった。
その後、熊本から持ってきた約37,000匹10トン以上ものメスの天草ダコを明石海峡に放流した。現在捕れている明石ダコは、ほとんどが天草ダコが生んだ子孫である。大量に放流された天草ダコは明石の風土に馴染み、今の高級ブランド「明石ダコ」を支えている。
ちなみに、昭和38年以前と現在の明石ダコは生物学的にはどちらもマダコである。激しい潮流に揉まれる漁場も変わりはないので、変わらず美味しいと言われている。
2017/10/19
カテゴリー「生き物」