ニワトリに黒い餌を食べさせて実験した結果がある。黒い餌には黒色色素(スダンブラック:Sudan Black B)を使用し、この色素を添加した餌をニワトリに毎日食べさせる。
黄身の色はニワトリが食べる餌によって決まることが分かる。また、黒い餌を食べたニワトリの卵をゆで卵にして観察してみると、黄身の外側から黒くなっていくのを確認できる。少しずつ黄身が外側から黒くなり、2週間で黄身は完全に真っ黒になる。黒色色素の入った餌を食べたニワトリも色が黒っぽくなり、生まれる卵の殻も黒っぽく見えるという。
さらに、黒色色素を添加した餌を1日、無添加の餌を2日のサイクルで食べさせる実験を行うと、そのニワトリのゆで卵の色はシマシマの黄身になる。この写真↓の“マーブル”とラベルされたゆで卵がそれに該当する。
この写真の“クロ”とラベルされたゆで卵が上記の黒色色素を添加した餌を毎日食べさせた卵(9日目)である。“アカ”のゆで卵は赤色色素(パプリカ)を添加した餌を毎日食べさせた卵である。
一般にはほとんど知られていないが、養鶏業界では以前から色素を添加した餌をニワトリに食べさせ、黄身の色を操作することが行われている。これは日本では黄身の色が濃いものが好まれる傾向にあるためである。一方、欧米では色の薄いものが好まれるという。
黄身の色を比較してみると、これ↓が無添加の餌を毎日食べさせた普通の卵である。
そして、これ↓が赤色色素を添加した餌を毎日食べさせた15日目の卵である。
上の無添加の卵に比べて、下の赤色色素を添加した方が黄身の色が濃いのが分かる。このように餌に色素を加えることで卵の黄身の色を濃くすることもできる。黄身の色が濃い卵が「良い卵」「美味しい卵」というイメージがあるかもしれないが、色素を添加しただけという可能性もある。卵の良し悪しは黄身の色の濃さだけでなく、味も含めて判断する必要がある。
引用元:花兄園
2017/10/21
カテゴリー「生き物」