このお月見の方法は平安時代に嵯峨天皇が始めたことで有名になった。
お月見は平安時代に貴族が始めたとされているが、直接月を見るものではなかった。池や川、あるいは杯に映して月を見ていた。また、昔の天皇のあり方から考えると、天皇は神で1番上の人であり、その1番上の人がさらに上を見るのはおかしい。だから下を見下ろすのが普通だった。
平安時代の嵯峨天皇はどうしてもお月見をしたかったがため、わざわざ離宮であった京都・大覚寺に周囲1キロにも及ぶ大きな人工の池を造った。そして、その水面に映った月でお月見を楽しまれた。
その池は今もあり、大覚寺の大沢池である。大沢池では、9~10月頃の「中秋の名月」に舟を浮かべ、空と池に浮かぶ月を楽しむ「観月の夕べ」という行事が行われている。また、大沢池(京都府京都市)は猿沢池(奈良県奈良市)、石山寺(滋賀県大津市)と共に日本三大名月鑑賞地となっている。
リンク:観月の夕べ(大覚寺)
2017/11/7
カテゴリー「歴史・文化」