地下足袋(じかたび)とは、足の裏にゴム底がつき、足の指が親指と残りの二股に分かれている作業労働用の足袋で、足のつま先に力が入りやすいのが特徴である。
地下足袋
画像元:制服道場
現在では地上で履くのに「地下の足袋」と書くのは不思議だが、「地下」は当て字で、もともとは「直」だった。履物を履かずに「直に地面の土に触れる足袋」という意味である。他にも、地下の炭鉱で使用していたことから「地下で使う足袋」に由来する説もある。地下足袋と書くことから「ちかたび」と呼ぶ地域もある。
現在主流の形の地下足袋は、1923年(大正12年)10月に足袋製造業者である石橋徳次郎(二代目)が発明した。ゴム底が滑らない波形にしたのも徳次郎の発想である。徳次郎が開発した地下足袋は、福岡県久留米市に本拠を置く徳次郎の会社・日本足袋、及びその子会社・アサヒ地下足袋において販売された。特に、近隣にあった三池炭坑において炭坑夫に人気を博したことなどから、全国的に普及した。
日本足袋はゴム底靴製造販売にも進出し、後にアサヒコーポレーションとなる。また、徳次郎の弟であり、日本足袋の実質的な経営者であった石橋正二郎が、ゴム製造のノウハウをタイヤ製造に活かして創業、拡大させた会社がブリヂストンである。
現在国内販売は、そのシェアの6~7割を占める株式会社力王(1948年設立、本社:東京都中央区日本橋)と約3割を占める株式会社丸五(1919年創業、本社:岡山県倉敷市)による寡占市場である。生産は、そのほとんどを中国などの海外生産に頼っている。
2017/11/29
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