小学校入学までに外遊びをする頻度が高い子どもほど、体力・運動能力が高くなるという調査結果が出た。
これは2017年(平成29年)10月8日に発表されたスポーツ庁の「体力・運動能力調査の結果」により判明したことで、「運動能力」と幼児期の「外遊び」の習慣に大きな相関性があることが示された。
10歳児の体力・運動能力の調査結果
画像元:スポーツ庁
このグラフは小学校入学前の外遊びの実施状況と新体力テストの合計点を表したもので、6歳までに週6日以上の外遊びをした子どもは、週に1日以下の子どもと比べて、体力・運動能力が明らかに高くなっている。
つまり、6歳までに「外で何をしたか?」ではなく、内容は問わず「何日外で遊んだか?」が運動神経と関連している。また、外で遊ぶ中で追いかけっこやボール遊び、お花摘みなど、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感を使って様々な体験をすることが、子どもの成長にとって大事であると考えられている。
ちなみに、上のグラフの基になっている「新体力テスト」とは、1999年(平成11年)より実施されている新しいスポーツテスト(通称:新テスト)のことである。
これより以前からあるスポーツテスト(通称:旧テスト)は、1964年(昭和39年)に制定されたものである。これは同年の東京オリンピックの開催を契機に、国民の体育への関心が高まる中、競技スポーツの発展とともに、国民の体力増進策の一つとして、まず国民の体力・運動能力に関する情報収集を目的に当時の文部省により実施された。
6~11歳を対象とした新テストは、旧テストからある50m走(走力)、握力(筋力)、反復横跳び(敏捷性)、ソフトボール投げ(投力)、立ち幅跳び(跳躍力)の5種目が継承され、上体起こし(筋持久力)、長座体前屈(柔軟性)、20mシャトルラン(全身持久力)の3種目が新テストから新しく採用された。
12~19歳を対象とした新テストは、上記の8種目に加えて、旧テストからある持久走(全身持久力)があり、ソフトボール投げがハンドボール投げに代わる。持久走は男子1500m・女子1000mで、新しい20mシャトルランとの二者択一のため、実施するのは6~11歳と同じ8種目となる。
2018/1/15
カテゴリー「生活・科学」