味噌には赤味噌と白味噌があるが、両方とも原料は同じ大豆である。それなのに何故、赤と白で色が違うのか。
味噌の製造工程を見てみると、味噌の原料である大豆を水に浸け、加熱する。ここまでは赤味噌と白味噌で全く同じである。赤味噌が赤いのは、大豆や麹のタンパク質と糖分による「メイラード反応」によるものである。メイラード反応とは、味噌の場合、大豆と麹を加熱することで褐色物質(メラノイジン)を生み出し、茶色く変化する現象のことである。
熟成期間によっても多少の影響があるが、一番の理由は加熱方法の違いによるものである。赤味噌の場合、製造過程で大豆を入れた釜に蒸気で熱を加え、大豆を蒸して造られる。一方、白味噌は釜に大豆と水を入れ、煮て造られる。赤味噌は「蒸す」、白味噌は「煮る」。この大豆への加熱方法の違いで、色の違いが生じる。
大豆を「蒸す」と大豆に含まれるタンパク質と糖分でメイラード反応が起こり、味噌は茶色くなる。また、長期間、高温で熟成させるとより色が濃くなる。一方、大豆を「煮る」と茶色くなるために必要なタンパク質や糖分がお湯に溶け出し失われるため、メイラード反応が起こらず白味噌となる。また、白味噌の場合は、より白くするために麹を多く使用し、短期間熟成させる。
一般的に赤味噌は塩分濃度が高く塩辛く、熟成期間が長いのでコクがある。一方、白味噌は塩分濃度が低く麹の糖分により甘い。また、麹の多い白味噌には高い美肌効果が期待できる。赤味噌と白味噌の中間として信州味噌を代表とする淡色味噌があり、全国的に普及しているが、淡色味噌には蒸すものと煮るものがあり、麹の量や熟成期間を調整して造られる。
2019/2/13
カテゴリー「食べ物」