人が浮く水と言えば、アラビア半島の北西部に位置する塩湖「死海」が有名である。死海はイスラエルとヨルダンの間にある。
普通の海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、死海の湖水はその10倍の約30%の濃度を有する。1リットルあたりの塩分量は230gから270gで、湖底では428gである。この濃い塩分濃度のため、湖水の比重が大きくなり、結果、浮力も大きいので、死海の水に入ると人は浮く。
ちなみに、死海はその高い塩分濃度のため、生物の生息には不向きな環境で、湧水の発生する1ヵ所を除き、魚類の生息は確認されていない。死海(Dead Sea)という名称もこれに由来する。しかし、緑藻類のドナリエラや古細菌類の高度好塩菌の生息は確認されている。
死海の濃い塩水と同様に、濃い砂糖水でも人は浮く。濃い砂糖水でも人や物が浮く原理は塩水と同じで、比重が大きく、浮力も大きいためである。比重とは、ある物質の密度と、基準となる水などの標準物質の密度との比。簡単に言うと、塩水や砂糖水の密度が大きいとその中の人は浮く。つまり、多くの塩が溶けた死海の水と同じように、多くの砂糖が溶けた砂糖水を作ればよいということになる。
日本テレビ系列の番組『超問クイズ!真実か?ウソか?』(2018/6/8放送)の中で、浴槽に入れた水に500kgの砂糖を溶かして、その砂糖水で人がプカプカと浮くことを実際に確認している。水1リットルに対して約820gの砂糖を溶かすと人は浮くという。この砂糖水の濃度は、約610リットルの水に500kgの砂糖を溶かした砂糖水とほぼ同じであるが、この番組では1人が入れる程度の浴槽を使用しており、さらに高い濃度で検証したと思われる。
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2019/6/22
カテゴリー「生活・科学」