静岡県の最東部に位置する熱海市は、人口約36,000人で、年間人気温泉地ランキングで1位を獲得するなど日本を代表するリゾート地である。
熱海市では、社会問題を解決するために日本で唯一の「別荘等所有税」(別荘税)が制定された。別荘税は地方税の一つである法定外普通税で、税の新設・変更に伴い総務大臣の同意を得る必要がある。
高度経済成長期に別荘が急増し、ゴミ処理や上下水道の整備などにかかるお金を市民からだけでなく、別荘オーナーからも徴収するために別荘税が1976年(昭和51年)に導入された。熱海市に家屋を所有している人で住民票と税申告のない人には別荘税が課税される。延べ床面積1m2につき年額650円の割合で課税され、熱海市は別荘税により年間で約5億円の税収を得ている。
ちなみに、法定外普通税には熱海市の「別荘等所有税」の他に、原子力政策に関連する税で、茨城県の「核燃料等取扱税」や青森県の「核燃料物質等取扱税」、その他分野の税で、沖縄県の「石油価格調整税」(ガソリン販売に対する課税)、福岡県太宰府市の「歴史と文化の環境税」(一時有料駐車場利用者に対する課税)などがある。
2019/7/3
カテゴリー「生活・科学」