安心安全な国産レモンの歴史

海外からの輸入されるレモンとは違い、国産のレモンはすぐに出荷できるため防腐剤を使う必要がなく、安心して皮まで食べられる。

レモン

そんな国産レモンの生産量で国内1位を誇るのは広島県で、2017年(平成29年)時点で国内生産シェアの50%以上を占める。広島県でも特に尾道市の生口島(いくちじま)はレモンの産地として有名で「レモン島」とも呼ばれる。

瀬戸内海に浮かぶ生口島は人口が約9000人の小さな島で、「国産レモン発祥の地」の石碑があるなど、島をあげてレモンを推している。また、広島のレモンは「瀬戸内・広島レモン」などの名称で全国に出荷されている。ちなみに、広島県に次いで生産量の多い都道府県は2位が愛媛県、3位が和歌山県である。

レモンはミカン科ミカン属に分類される常緑低木で、柑橘類の一つである。レモンは寒さに弱く、冬が温かく、夏に乾燥する地域が栽培に適している。また、生口島のように傾斜地で育てると水はけが良く、糖度が上がる傾向にある。レモンは水が少ないほうが糖度が上がり、味が濃くて美味しいレモンとなる。

日本において過去にはレモンの生産が激減した時期がある。そのきっかけとなったのが1964年(昭和39年)のレモンの輸入自由化で、海外から値段の安いレモンが大量に輸入され、国産レモンの価格は大幅に下落した。

さらに寒波の影響もあり、苦境に立たされたレモン農家は次々とミカン栽培にシフトしたという過去がある。しかし、その後の1975年(昭和50年)に輸入レモンから禁止薬物が見つかるというポストハーベスト農薬(防カビ剤)問題が発生した。

そして、日本中で「食の安全」が叫ばれる中で、防腐剤を使わない国産のレモンが再び注目され、国産レモンの人気は回復した。これによりレモンの価格も上昇し、安心・安全な国産レモンは生産量の増加とともにその地位を確立した。

リンクWikipediaコトバンク

2021/8/1

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「食べ物

関連記事