小説家・司馬遼太郎(しば りょうたろう)の1996年(平成8年)の忌日。
好きだった花にちなんで「菜の花忌」と名付けられた。また、『菜の花の沖』という長編小説があることにも由来する。毎年この日には「菜の花忌シンポジウム」の会場で司馬遼太郎賞の授賞式が行われる。
この日とは別に、3月12日の詩人・伊東静雄の忌日も「菜の花忌」と呼ばれている。
1923年(大正12年)8月7日に現在の大阪府大阪市浪速区に生まれる。本名は福田定一(ふくだ ていいち)。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。司馬遷は中国前漢時代の歴史家で、歴史書『史記』の著者。
大阪外国語学校(後:大阪外国語大学、現:大阪大学外国語学部)蒙古語学科を卒業。産業経済新聞社に13年間勤務。この間に同人誌『近代説話』に参加。忍者小説『梟の城』で直木賞を受賞。歴史小説に新風を送る。
歴史小説『竜馬がゆく』『国盗り物語』にて菊池寛賞を受賞。『世に棲む日日』『翔ぶが如く』など次々と雄大な構想と巧みな語り口で作品を発表する。日本芸術院会員、文化功労者となり、文化勲章を受章。
腹部大動脈瘤破裂のため72歳で死去。その他の代表作に『燃えよ剣』『坂の上の雲』などがある。また、『街道をゆく』をはじめとする多数のエッセイなどでも活発な文明批評を行った。