記念切手記念日(3月9日 記念日)

1894年(明治27年)のこの日、日本最初の記念切手が発行された。

明治天皇・皇后両陛下のご成婚25周年(銀婚)を記念して発行され、菊の紋章に雌雄の鶴2羽が描かれたデザインで、紅色で内地用(内国用封書用)の2銭と青色で外地用(外国用封書用)の5銭の2種類だった。

明治銀婚記念切手(2銭、5銭)
明治銀婚記念切手(2銭、5銭)

当時、日本には記念切手の概念がなく、銀婚の祝典を記念する切手を望んだ在留外国人の新聞投書によって政府が動き、時の逓信大臣・黒田清隆の命で急きょ発行されることとなったものである。祝典まで1ヵ月を切るなか、印刷局は不眠不休で作業にあたり、通常1~2ヵ月はかかる原版を5日で仕上げた。

その記念切手の大きさは縦29mmx横37mmmで、当時の普通切手の約2倍の大きさがあり、菊花紋の周りには「IMPERIAL WEDDING 25 ANNIVERSARY」と発行趣旨が表記されている。上の画像では確認が難しいが、下の画像ではその文字を確認することができる。

明治銀婚記念切手(2銭)
明治銀婚記念切手(2銭)

記念切手について

「記念切手」とは、郵便局や販売期間、枚数に定めのない「普通切手」とは異なり一定枚数のみ印刷され、場合によっては販売される郵便局や販売期間、郵便に使用できる期間までも制限されるのが特徴である。

同様な切手としてキャンペーンや文化財の紹介国家的宣伝などの意図をもって発行される「特殊切手」があるほか、ふるさと振興を目的に発行された「ふるさと切手」、年賀郵便に使用される目的の「年賀切手」などもある。

特殊切手「天体シリーズ 第1集」
特殊切手「天体シリーズ 第1集」

当初は記念切手を「紀念切手」と呼称していた。これは「記念」には「かたみ」の意味があり、これを避けたためだといわれている。しかし、大正から昭和にかけて当時の文部省で「記念」の語を使うようになったためこれに倣い、現在と同じ「記念切手」という表記が使われるようになった。

日本では昭和時代初期まで記念切手は数年に一度しか発行されていなかった。記念切手は2種または4種のセットで発行され天皇即位・立太子の礼など皇室関係の慶事を記念したものや明治神宮や伊勢神宮などの国家神道に関係するものが主であったが、第一次世界大戦終結を祝う平和切手や第15回赤十字国際会議の記念切手なども発行されていた。第二次世界大戦後は毎年のように発行されるようになり、現在では毎年数十種前後の記念切手が発行されている。

リンクお札と切手の博物館Wikipedia日本郵便

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カテゴリー「3月の記念日」「今日は何の日

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