世界保健機関(World Health Organization:WHO)が1997年(平成9年)の世界保健総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「World Tuberculosis Day」または「World TB Day」。
1882年(明治15年)のこの日、ドイツの医師・細菌学者のロベルト・コッホ(Robert Koch、1843~1910年)が結核菌を発見し演説を行った。コッホは、フランスの生化学者・細菌学者のルイ・パスツール(Louis Pasteur、1822~1895年)とともに、「近代細菌学の開祖」とされている。
医学の進歩で克服されたかに見えていた結核が、再び猛威を振い始めたことから、結核の撲滅を目指して結核抑圧への協力を世界に呼びかけている。毎年テーマを掲げて、この日を中心に、世界中で結核撲滅に向けた様々なイベントが行われる。2017年(平成29年)のテーマは、「結核流行の終息のために団結しよう:誰ひとり取り残さない」(Unite to End TB: Leave no one behind)であった。
2015年(平成27年)には、世界で新たに1040万人が結核を発病し、180万人が命を落とした。結核は低・中所得国を中心に、特に貧困層など社会的弱者と呼ばれている人々の中でまん延している。結核への偏見・差別、疎外、治療を阻む壁を取り払い、結核制圧への取り組みを進めることが求められている。
日本では、厚生労働省が9月24日~30日を「結核予防週間」と定めており、地方自治体や財団法人・結核予防会を始めとする関係団体の協力を得て、結核予防に関する普及啓発などを行っている。