熊本県観光課が制定。
日付は「蒸し湯」の「む(6)し(4)」(蒸し)と読む語呂合わせから。熊本県阿蘇郡小国町にある「杖立温泉」(つえたておんせん)。その名物「蒸し湯」の魅力を、さらに多くの人に知ってもらうことが目的。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
杖立温泉は、1800年の歴史を持ち、古くは湯冶場として栄えた温泉地である。約98度で自噴する温泉の蒸気を利用した「蒸し湯」は20ヵ所以上で体験できる。
杖立温泉は、昭和の薫りが今も煙る、お湯が自慢の温泉街である。九州には温泉地が数多くあるが、杖立温泉では独特の雰囲気を持った温泉集落の景観を楽しめる。杖立川を挟んだ町のあちらこちらから湯けむりが立ちのぼり、美しい川のせせらぎが旅情をかきたてる。
平安時代の初めに旅で訪れた弘法大師・空海が、温泉の効能にいたく感銘して、「湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人」という一句を詠んだとされ、「杖立」の地名もこれに由来する説がある。「杖の助けを借りてやって来た人が、湯治により健康を取り戻し、帰る時には杖なしで済む」という意味である。
昭和の初めには「九州の奥座敷」として歓楽街のにぎわいを見せたが、平成に入るとその華やかな盛り上がりは衰退していった。しかし、今もその名残りを感じることができ、様々な歴史を受け継ぎながらも由緒正しい温泉街として静かに息づいている。