劇画の日(7月24日 記念日)

1964年(昭和39年)のこの日、青林堂の創業者・長井勝一(ながい かついち、1921~1996年)が劇画雑誌の『月刊漫画ガロ』を創刊した。

劇画雑誌『ガロ』1964年9月創刊号

漫画家・白土三平(しらと さんぺい)の『カムイ伝』をはじめ、水木しげる(みずき しげる)の『鬼太郎夜話』、つげ義春(つげ よしはる)の『沼』『ねじ式』などが登場し、大人向けの劇画ブームの拠点になった。

『ガロ』は大学生など比較的高い年齢層の読者に支持され、独創的な誌面と伝説的経営難の中で独自の路線を貫き漫画界の異才をあまた輩出した。独自の作家性を持つ個性的な漫画家たちの作風は「ガロ系」と呼ばれる。

劇画雑誌『ガロ』1965年4月号

その後、『ガロ』は青林堂の創業者である長井勝一の死去に伴い衰退し、1997年(平成9年)に休刊となる。翌年の1998年(平成10年)にいったん復刊したが、2002年(平成14年)以降は実質発行がない状態となっている。

その一方で、1998年(平成10年)から青林堂の系譜を引き継いだ青林工藝舎が事実上の後継誌『アックス』(AX)を隔月で刊行している。

劇画(げきが)は、漫画の表現技法、もしくは漫画のジャンルの一つである。「劇画」という名称は漫画家・辰巳ヨシヒロ(たつみ ヨシヒロ、1935~2015年)の考案によるものであり、1959年(昭和34年)に結成された劇画工房の誕生以降の劇画ブームによって世間一般に名称が定着した。

劇画とは、それまでの子供向け漫画から一線を画した漫画表現の手法である。辰巳らは自分たちの作品が子供向けという評価を受けることを極端に嫌っていた。作風としてはハリウッド映画やハードボイルド小説の影響が大きい。

劇画工房の結成に携わった8人のうちの1人が劇画界の代表的人物のさいとう・たかを(1936~2021年)である。貸本漫画時代に劇画の分野を確立した人物の1人であり、一般漫画の世界に転向後も『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』など数々のヒット作品を生み出した。

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カテゴリー「7月の記念日」「今日は何の日

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