ランチャームの日(8月1日 記念日)

大阪府大阪市住吉区に本社を置き、食と環境を支える商品の開発と提供を行う株式会社旭創業が制定。

お弁当やお寿司に添えられる魚やビンの形をしたポリ容器入りの調味料「ランチャーム」は、創業者の渡辺輝夫が「ランチをチャーミングに」との思いから開発した商品。食事を楽しく、美味しく食べてほしいという願いが込められている。

ランチャーム

日付は、同社の創業日が1957年(昭和32年)8月1日であり、ランチャームの本格的な製造が開始された日であることから、8月1日を記念日としたもの。

ランチャームの日

「ランチャーム」の誕生と歴史に感謝し、多くの人にその魅力を知ってもらうことが目的。記念日は2024年(令和6年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。

社旭創業

株式会社旭創業は1957年(昭和32年)8月1日に創業し、1960年(昭和35年)8月4日に設立した会社。資本金は3200万円、従業員数は123名(2023年2月時点)となっている。

同社は食品関連資材・調理用消耗品の製造・販売を手がける。経営理念として「地球社会の食と環境を支える商品を開発し、人類の笑顔と安心を守る会社」を掲げる。

1954年(昭和29年)、渡辺輝夫は経済新聞を隅々まで読んでいるとき、ふと確信が頭をよぎった。「これからは経済的なポリエチレンの時代になる」と。当時、お弁当に使われる醤油容器はガラスか陶器が主流で、使い捨てには不向きだった。「割れやすくコストも高い。安くて安全な使い捨て容器を作れば、必ず売れる」と考えた輝夫は、すぐに行動を開始した。

輝夫は来る日も来る日も機械作りに没頭した。長い台の上に延板をはめ込み、直径2cm足らずのポリエチレンチューブを流し込み、醤油を注入して切断する機械を自ら作り上げようとした。現代のような精密機械がない時代、ゼロからのスタートは困難を極めた。何度も失敗を重ね、改良を重ねる日々が続いた。

ある日、ついに輝夫は成功を収めた。「出来たぞ!見てくれ、やっと出来たんだ」と、工場に顔を出した妻に輝夫は誇らしげに箱を差し出した。箱の中には、醤油がいっぱいに詰まったポリ容器が艶やかに光り、断裁面も堅く密封され、醤油の漏れは全くなかった。「さっそく特許庁へ出願だ。きっと売れるぞ!商品名はランチャームだ!」新しい機械、そして商品が完成した瞬間だった。

「この福山(広島)で作っていては販路も狭い。全国商品になるのも遅れるだろうから、大都会へ出よう」と考えた輝夫は、家族と相談し、大阪進出を決めた。「大阪の人は新しいもの好きだから、お父さんのランチャームのために大阪へ進出しましょ」という娘の言葉が背中を押した。

1957年(昭和32年)、大阪市西成区に旭食品工業を旗揚げし、日本初の画期的商品ランチャームの本格的製造を開始した。某百貨店からの引き合いを皮切りに、日本各地から注文が殺到し、全国規模での展開が進んだ。

こうして、ランチャームは誕生し、日本の食文化に欠かせない存在となった。1971年(昭和46年)に社名を株式会社旭創業と改め、現在はランチャームの製造・販売をベースに食品包装資材全般のエキスパートとして「食」への安心・安全を追求している。

ランチャーム(旭マーク)

ランチャームには容器に「旭」マークが入っており、その有無で他社製との判別が可能となっている。魚型ランチャームを模して他社で製造されたものも含め「醤油鯛」と総称されることもある。

リンク旭創業Wikipedia

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カテゴリー「8月の記念日」「今日は何の日

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