東京都渋谷区千駄ヶ谷に事務局を置き、おやつ文化の向上を目指して、その普及活動を行う一般社団法人・日本おやつ協会が制定。
日付は「お・や(8)つ(2)」と読む語呂合わせから。
コミュニケーションツールでもある「おやつの力」を広めることが目的。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
おやつの時間は笑顔があふれ、幸せを共有する平和な時間。日本おやつ協会は、多くの人と笑顔あふれるおやつの時間を共有したいという想いから記念日を制定した。
「おやつ」とは、江戸時代、1日2食が一般的だった頃「八つ時(やつどき)(午後2時から3時頃)」にとっていた小腹を満たす間食のこと。「八つ時」は、室町時代後半からあった習慣で時刻を知らせるために時鐘の数を利用しており、「時鐘の数が8つの時」を意味する。
そんな八つ時にとる間食を「おやつ」と呼ぶようになり、やがて間食全般を「おやつ」と呼ぶようになった。現在では「3時のおやつ」などと呼ぶこともある。
おやつで食べるものは、甘いものが多い。例えば、菓子類、果物類、ケーキ類などである。つまり、おやつでは比較的高カロリーのものを食べる傾向がある。ただし、おやつは間食という位置づけであり、通常は昼食や夕食よりは量が控えめとなる。
仕事の合間や、気分が落ち込んだ時などに、おやつを一口食べるだけで気分が晴れてすっきりすることもある。また「お茶にしよう」と声を掛け、お茶と共におやつを食べることは、日本ではよくある風景である。
かつての日本では、食事は朝夕のみの1日2食であったが、農民たちは体力維持のため休憩時に軽食をとっていた。これを中食(ちゅうじき)、間食(かんじき)などと呼んだ。また、江戸時代後期の戯作者・曲亭馬琴(きょくてい ばきん、1767~1848年)の日記には、まんじゅう、せんべい、団子などの菓子が頻繁に登場する。
時代が変わっても、おやつの時間だけは平和に過ごすことができる。出張のお土産を3時のおやつとして皆に配ることもある。現在では、おやつは会話を弾ませるコミュニケーションツールとしても注目されている。