世界湖沼の日(8月27日 記念日)

2024年(令和6年)12月、インドネシアが提案国となり、日本が共同提案国となって「世界湖沼(こしょう)の日」に関する国連決議案が、アメリカ・ニューヨークの第79回国連総会で採択された。

世界湖沼の日

日付は日本発祥の国際会議である「世界湖沼会議」の1回目が、1984年(昭和59年)8月27日に滋賀県大津市で開催されたことに由来する。この会議は滋賀県にある琵琶湖の水質悪化を背景に、湖沼の未来を守るために行われた。

英語表記は「World Lake Day」。各国や国際機関が湖沼の重要性を認識し、力を合わせて湖沼および関連する生態系を持続可能な形で維持・保全・再生していくことを目的としたもの。「世界湖沼の日」の事務局は国連環境計画(UNEP)が担う。

湖沼

湖沼とは、四方を陸地で囲まれ、中に静止した水の塊がある場所のこと。日本には琵琶湖(滋賀県)やサロマ湖(北海道)など多くの湖沼が点在しており、太古から魚介類の恵みや水上交通、美しい景観など多くの恩恵を人々にもたらし、密接な関係を保ってきた。

琵琶湖
琵琶湖

貴重な水資源である湖沼は、人々の生活を豊かにするとともに、生物多様性を支える役割も果たしている。人にとっては飲み水や農業用水、魚類や貝類などの水産資源をもたらす存在であり、同時に都市部でも水辺に触れることができる癒し・遊びの場でもある。また、渡り鳥など多くの生物にとっては、生息場所や餌場となっている。

しかし現在、湖沼は数多くの課題を抱えている。気候変動による水温上昇、水草の大量繁茂、湖底の酸素量不足による水生生物の減少などによって、ここ数十年の間に多くの水生生物が脅かされ、絶滅の危機にさらされている。こうした課題に対処する必要があるが、水資源や水環境をめぐる議論では海や河川に注目が集まりがちで、湖沼は話題の中心になりにくいという現実があった。

そんな中でこの「世界湖沼の日」が制定された。湖沼の果たす重要な役割を世界の人々に知ってもらうためのよき日になるように、湖沼から恩恵を受けている私たちも意識を新たにする必要がある。この記念日は私たちの身近な場所にある湖沼に目を向けて、環境保全について考えてみる機会となる。

リンクUnited Nations環境省Wikipedia

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カテゴリー「8月の記念日」「今日は何の日

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