東京都新宿区山吹町に事務局を置き、管理会計の研究、教育および経営管理実務に関心をもつ研究者や実務家で構成される日本管理会計学会が制定。
経営組織の運営において、健全な会計倫理に基づく適切な管理会計の理論と実務はますます重要になっている。道徳経済合一説を唱えた実業家・渋沢栄一(しぶさわ えいいち、1840~1931年)は経営における会計の重要性を認識し実践した。
渋沢栄一の功績を学び、顕彰するとともに管理会計の意義と重要性を広く紹介して、その理論と技法、実務の普及と定着が目的。
日付は管理会計の先駆者である渋沢栄一の経営思想を代表する著書『論語と算盤』(ろんごとそろばん)の初版の発行日である1916年(大正5年)9月13日から9月13日を記念日とした。
記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
日本管理会計学会(The Japanese Association of Management Accounting:JAMA)は1991年(平成3年)7月27日に設立した組織。会員数は700名となっている。学会誌として『管理会計学』を年に2回発行し、フォーラムを年に3回開催する。
渋沢栄一は現在の埼玉県深谷市生まれ。明治政府を辞した後、民間にあって第一国立銀行をはじめ指導的立場で500社前後の企業の創立・発展に貢献した。また、経済団体を組織し、商業学校を創設するなど実業界の社会的向上に尽力。さらに、社会公共事業の育成発達に努め国際親善に力を入れた。
渋沢は幼少期に学んだ儒教の経典『論語』を拠り所に倫理と利益(=算盤)の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにするために、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけた。
『論語と算盤』は日本実業界の父とも呼ばれる渋沢が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録である。企業モラルが問われる今、経営と社会貢献の均衡を問い直す一冊。
『論語と算盤』で渋沢は「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。」と、その理念を端的に述べている。そして、道徳と離れた欺瞞(ぎまん:だますこと)、不道徳、権謀術数的な商才は、真の商才ではないと言っている。