長野県(阿部守一知事)が制定。
長野県は浅間山(あさまやま)・御嶽山(おんたけさん)・焼岳(やけだけ)・乗鞍岳(のりくらだけ)などのある全国有数の火山県であり、過去にも幾度となく火山災害が発生している。2014年(平成26年)9月27日には御嶽山の噴火により多数の登山者が巻き込まれる甚大な被害がもたらされた。
その御嶽山噴火災害を風化させることなく、火山防災に係る意識の向上と防災対策の推進に継続的に取り組み、併せて火山及び周辺地域の魅力発信による地域振興に寄与するのが目的。
日付は御嶽山噴火災害が発生した2014年9月27日に由来する。記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
また、長野県はこの「信州 火山防災の日」の制定に合わせて、8月26日から9月27日までの1ヵ月間を「信州 火山防災月間」に制定した。
長野県内には、活火山が6つあり、そのうち4つが火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な常時観測火山である。その4つの火山は上記の浅間山・御嶽山・焼岳・乗鞍岳。
また、県外に火口を有する火山の新潟焼山(にいがたやけやま:新潟県)・草津白根山(くさつしらねさん:群馬県)・弥陀ヶ原(みだがはら:富山県)も含めると常時観測火山は7つとなり、長野県は全国でも有数な火山県である。
御嶽山は、東日本火山帯の西端に位置する標高3067mの複合成層火山。大きな裾野を広げる独立峰である。日本の山では14番目に標高が高く、独立峰としては富士山に次いで2番目に高い。
2014年9月27日に発生した御嶽山の噴火では、山頂付近にいた登山客が巻き込まれ、死亡者58名・行方不明者5名と、1991年(平成3年)6月3日に発生した雲仙普賢岳の火砕流による犠牲者数を上回る事態となった。
火山には火山ならではの景観や温泉などの恩恵がある一方で、噴火などの危険もある。同様に火山登山には多くの魅力があるが、それと同時に噴火災害のリスクもある。
登山をする場合には、登山前の情報収集や連絡手段の確保、登山届の提出、避難場所の確認、ヘルメットの携行など安全対策を改めて確認し、自らの身を守る備えを行う必要がある。