福島県北地域と相馬地域の12市町村を管轄するふくしま未来農業協同組合(通称:JAふくしま未来)が制定。
「あんぽ柿」は、燻蒸(くんじょう)した後に乾燥させて作られる干し柿で、燻蒸により守られる鮮やかなオレンジ色とゼリーのようなトロッとした食感、豊かな甘さとジューシーさが特徴。福島県の冬を代表する特産品で同組合は生産量日本一を誇る。
日付は最盛期である冬の期間で、燻蒸製法の確立・普及に携わった人が13人であったこと、発祥地の福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)のいさ(13)から12月13日、1月13日、2月13日の3日間を記念日としたもの。
福島県伊達市で「あんぽ柿」の出荷が始まってから2023年(令和5年)で100年となることを記念し、さらに多くの人にその美味しさを味わってもらうことが目的。記念日は2023年に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
「あんぽ柿」は、渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿で、ドライフルーツの一種。その独特の製法は大正時代に開発された。
福島独特の風土、昼夜の激しい寒暖差が柿の甘みを凝縮させ美しい橙色に仕上げる。旬の時期は11月~2月となっており、あんぽ柿を生産する農家では降雪する冬期であっても農閑期とはならない。長期保存が可能で値崩れしにくく、農家としては貴重な安定収入となっている。
あんぽ柿誕生の背景には、日本の生糸市場の衰退がある。幕末から明治期の福島盆地一帯は全国有数の養蚕地帯であった。五十沢の農家も養蚕で潤い、小規模ながら製糸工場などの施設もあった。
しかし、生糸相場は変動の幅が大きいという問題があった。さらに、大正期に入って生糸市場の斜陽化の兆しが見え始めた。そこで、五十沢の有力者たちは養蚕に代わる新しい農産物の模索を始め、その結果、あんぽ柿が誕生した。
あんぽ柿には、ビタミンA1の量が生柿に比べて3倍以上多く含まれていて、美容・健康効果が抜群。ビタミンA1はしわ取りなどの美容効果があり、その他、かっけ予防のビタミンB2や二日酔い防止に効くビタミンB6も含まれている。