眼・視覚障害者の守護聖女「聖ルチア」の聖名祝日。「聖ルチアの日」または「Sancta Lucia」ともされる。
キリスト教の中でもカトリック教会・聖公会・ルーテル教会などの西方教会では伝統的に重要な聖名祝日で、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランドのスカンディナヴィア諸国と、イタリア・クロアチアなどの南欧が主として伝統的な行事としている。
ルチアは3世紀のイタリア・シチリアの貴族の娘であるが、母の病が聖アガタの墓前での祈りにより全快した奇跡により、終生貞潔を守り神に仕えることを決意した。ルチアには異教徒の婚約者がいたが、彼女がキリスト教徒となったことに失意し国に密告した。
改宗を拒んだことから売春婦となる刑が言い渡されたが、奇跡が起きて彼女の体はその場から動かなくなった。最後の拷問としてルチアの両目がえぐり出されたが、奇跡が起きて目がなくても見ることができたという。絵画や像では、彼女はしばしば黄金の皿の上に自分の眼球を載せた姿で描かれる。
スカンディナヴィア諸国ではこの日に、一家の子供の中で年長の少女が祝祭に参加する。少女は聖ルチアに扮して白いドレスを着て、ロウソクの冠を被る。そして、ロウソクを手に持ち、同じ扮装をした少女たちと一緒に行進する。ロウソクは、生命を奪うことを拒む、火の象徴である。行進はクリスマス・キャロルやルチアの歌を歌って行われる。
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