島根県松江市で自然環境の調査・研究、シジミの漁業振興を目的とした調査・研究などを行っている日本シジミ研究所が制定。
淡水と海水が混じる汽水域は水産資源の宝庫であるが、環境変動の激しい水域でもある。昭和30年代から始まった経済成長期に治水・利水のために傷つき乱れてしまった島根県の宍道湖(しんじこ)中海の汽水生態系を守ることが目的。
日付は、反対する多くの市民の努力によって、1963年(昭和38年)からおよそ40年間に渡って行われた国家的巨大公共事業「中海・宍道湖干拓・淡水化事業」の正式な中止表明が2002年(平成14年)12月13日に当時の農林水産大臣よりなされたことから、12月13日を記念日としたもの。
記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
有限会社日本シジミ研究所は、同社の代表者・中村幹雄(なかむら みきお)氏が島根県水産試験場を早期退転し、2002年5月8日に独りで設立した会社。日本で唯一のシジミの調査・研究を目的とした研究所である。
一人で始めた研究所も全国から若い志のある研究者が集まり、2017年(平成29年)8月時点で14名が研究所の業務に従事している。シジミ展示館の開設やシジミの直売、コンサルタント業務なども行ってきた。
中村氏の主な著書として、『宍道湖と中海の魚たち』(編著・山陰中央新報)や『日本のシジミ漁業』(編著・たたら書房)、『宍道湖の自然』(共著・山陰中央新報)、『汽水域の科学』(共著・たたら書房)などがある。
宍道湖(しんじこ)は、島根県松江市と出雲市にまたがる湖で、一級水系の斐伊川(ひいかわ)の一部である。日本を代表する景勝地として「日本百景」に選定されている。
主に大橋川・中海・境水道を介して日本海と接続し、淡水湖ではなく汽水湖となっている。平均塩分濃度は海水の約1/10。シジミ漁が有名で湖内の漁獲量の約9割を占める。シジミの種類はヤマトシジミ。シジミは食品として優れ、水質浄化にも役立つ。
この他、汽水湖のために魚種も豊富で、スズキ、モロゲエビ(ヨシエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シジミ、コイ、シラウオが宍道湖七珍(しんじこしっちん)と呼ばれている。それぞれの頭一文字をとって「スモウアシコシ」として覚える。
関連する記念日として、同研究所は「シ(4)ジ(2)ミ(3)」と読む語呂合わせから、4月23日を「シジミの日」に制定している。