鎌倉の名所といえば、「あじさい寺」として名を馳せる明月院や鎌倉大仏を本尊とする高徳院など、鎌倉には約120もの寺院がある。これらのお寺には鎌倉幕府の制度であった格付けがある。
格付けにはトップ5があり、これが「鎌倉五山」である。第1位は建長寺、第2位は円覚寺、第3位は寿福寺、第4位は浄智寺、第5位は浄妙寺となっている。
幕府としてはお寺の力を上手に利用したいという考えがあり、うまくコントロールするために序列を付けた。鎌倉五山をリーダーとして、他のお寺は鎌倉五山の下に置いて全体を管理するシステムを作った。お寺同士に競争させれば、幕府の方に歯向かってくることはないと考えたからだ。もし頑張ればランクアップすることもある昇進制度であった。上手にお寺の勢力をコントロールして、幕府の方向に向かないようにするシステムが「鎌倉五山」ということになる。
第1位の建長寺は鎌倉時代の1253年(建長5年)の創建で、けんちん汁が生まれたお寺としても有名である。その入り口には「五山第一」と書いてある。
ちなみに、京都にも京都五山が存在する。第1位は天龍寺、第2位は相国寺、第3位は建仁寺、第4位は東福寺、第5位は万寿寺となっている。その京都五山の上に南禅寺が別格として置かれている。
2017/8/18
カテゴリー「歴史・文化」