江戸時代の手相・人相のバイブル『南北相法』は、著者・水野南北(1760~1834年)が3ヵ所の仕事場で人間観察をして作られた。
水野南北は手相・人相の統計を取るために、まず火葬場で働いた。火葬場では顔・手相を自由に見ることができた。また、故人の人生を知っている親戚が集まるため、遺族の思い出話からその人となりを知ることができた。
2つ目の仕事場が髪結床(かみゆいどこ)で、現在の美容院である。顔を間近で見ることができ、何気ない会話の中から性格を読み取ることができた。
3つ目の仕事場が銭湯であった。裸の状態で骨格を見るために銭湯でも働き、サンプルを集めた。
この3ヵ所で実際に3年ずつ働きながら、計9年をかけて統計をとることで『南北相法』を完成させた。多くのサンプルを集めて統計的に作られているため、的中率も高く、現代の手相・人相の教科書となっている。
2017/8/18
カテゴリー「歴史・文化」