海外の家と日本の家では玄関のドアに大きな違いがあり、海外の玄関ドアは外から押して開ける“内開き”なのに対し、日本の玄関ドアは外から引いて開ける“外開き”である。
玄関のドア
画像元:All About
これは日本の家の場合、靴を脱いで家に上がる習慣のため、内開きだと靴が邪魔で開けられないというのが大きな理由である。
家の中のリビングや寝室のドアは内開きが多い。これは外開きだと開けた時に人がいるとドアにぶつかる危険があるため。しかし、トイレのドアはほとんどが外開きになっている。一方、デパートなど公共のトイレのドアは内開きになっている。
これは日本が高齢化社会になってきたことに大きな関係があり、トイレで排便中に息んで脳出血などを起こす人が多いためである。トイレの中で倒れた場合、内開きだと倒れる向きによっては簡単にドアを開けられない状況になってしまう。この状況になるとトイレの内側で倒れた人は外に出られず、外側から助けようとする人もドアを開けられずに助けられない。そのため、家のトイレのドアは開けやすい外開きになっている。
公共トイレのドア
画像元:茨城県牛久市
ただし、デパートなど公共のトイレではその逆で、開けた時に人がいると当たってしまい迷惑をかけることになる。また、万一変な人に追いかけられた時、外開きだとドアを開けられると逃げる場所がなくなってしまう。内開きだと内側から押し返して鍵をかけて、携帯電話で助けを呼べば間に合うかもしれない。公共のトイレのドアは防犯上の理由で内開きになっている。
2017/10/20
カテゴリー「生活・科学」