賞味期限とは、開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存した時に、美味しく食べられる期限のこと。長期保存が可能なものには賞味期限を省略することができる。
消費者が判断して食べることが前提であるが、生鮮食品以外の賞味期限がないものは適切に保存されていれば、長期保存ができる。ただし、美味しく食べるためには早めに食べるのがよいものもある。以下、賞味期限があるものも含まれるが、一例を挙げてみる。
- 野菜や果物
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野菜や果物などの生鮮食品には賞味期限を表示する義務がないため、賞味期限が記載されていない。一方、加工食品は基本的に賞味期限の表示が必要となる。生鮮食品は長期保存に向かず、早めに食べることが前提になっている。
- お米
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精米年月日の記載はあるが、賞味期限はない。これは野菜や果物と同じ農産物の扱いで、賞味期限の表示義務がないため。精米年月日は表示義務があるため記載されている。お米は精米すると時間が経つほど酸化が進み、「古米臭」という独特のニオイが発生したり、味が悪くなる。
- 砂糖
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砂糖は長期保存しても変質することのない長期間保存が可能な食品のため、賞味期限が設定されていない。カビや細菌などの微生物が繁殖するためには水分が必要だが、その水分がないため長期保存ができる。
- 塩
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長期保存しても品質の変化が極めて少ない食品であるため、賞味期限が設定されていない。塩は強力な防腐力を持っている。さらに無機質なので微生物が生きるための養分を含んでいない。そのため、長期保存ができる。
- 小麦粉
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小麦粉には賞味期限がある。未開封状態で、強力粉は製造後6ヵ月、薄力粉と中力粉は1年とされている。賞味期限の違いは強力粉のほうがグルテンを多く含んでいて、劣化しやすいため。湿度が高いなど保存状態が悪いとダニや虫の温床となる可能性があるので、注意が必要である。
- アイスクリーム
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アイスクリーム類は、-18℃以下での冷凍保存の状態においては微生物は増殖しないこともあり、品質劣化が極めて小さく、安定している食品ということで賞味期限が設定されていない。
- ガム
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原料が時間が経っても変化しにくい物質であり、水分も極めて少ない。また、包装も密封性が高く、常温にて保管した場合、長期間全く品質に変化がないことから賞味期限が表示されていない。
- 梅干し
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調味料が塩だけの昔ながらの製法で作られたすっぱい梅干しには賞味期限がない。これは塩分濃度が約18%の梅干しで、塩分濃度が約10%の減塩タイプの梅干しには賞味期限があり、冷蔵庫で保管して早めに食べるのがよい。
- はちみつ
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賞味期限はあるが、はちみつは強い殺菌力を持っており、長期保存ができる。古くなったものを食べても問題はないが、風味を美味しく味わってもらう意味で賞味期限が設定されている。
- 昆布
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昆布は本当は賞味期限がない。ただし、法律上、袋詰めにして販売すると賞味期限を表示しなければならないため、賞味期限が記載されている。また、水分を含むとカビが生えてしまうので、保存状態には注意が必要である。
- 日本酒
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製造年月は記載されているが、賞味期限は表示されていない。これは食品衛生法で酒類については賞味期限の表示を省略できるとしているため。ただし、日本酒を美味しく飲める期間はあり、製造後6ヵ月~1年程度とされている。
- ウイスキー
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日本酒と同様に賞味期限は表示されていない。ウイスキーは蒸溜をしたアルコール度数の高いお酒のため、未開栓で保存状態がよければ、長期間安定した品質を保つことができる。時間が経ってもその差に気付くほどの変化はない。
2017/10/26