千羽鶴はリサイクルでTシャツに生まれ変わる

「千羽鶴」は、広島で被爆した少女が戦後に白血病になり、延命を願い折り続けたという歴史から「平和の象徴」となっている。

千羽鶴が再利用されているのは広島で、平和記念公園には毎年世界中から平和への願いが込められた千羽鶴が届けられる。その数は年間約1000万羽、重さにして10トンにもなる。

平和記念公園の折り鶴
平和記念公園の折り鶴
平和記念公園の折り鶴

千羽鶴は公園内に展示された後、定期的に回収され倉庫で保管されている。その後、再生紙としてリサイクルされる。紙へのリサイクルは以前から行われてきたが、最新の技術でさらに画期的な再利用がされている。

そのリサイクルの工程を追ってみると、保管された千羽鶴はまず古紙再生業者が引き取り、工場に運ばれ、折り紙のインクなどを取り除く。そして、紙の原料でもあるパルプにリサイクルされる。ここまでは紙としての再利用だが、ここからが画期的で、このパルプが繊維会社に持ち込まれ、最新の技術で紙から糸へと生まれ変わる。その糸を使ってTシャツやタオルなどの繊維製品が作られている。

折り鶴から作られたTシャツ
折り鶴から作られたTシャツ

この繊維は折り鶴レーヨンとポリエステル混紡の柔らかい触り心地で、Tシャツ1枚に折り鶴が約5羽含まれている計算になる。この折り鶴のリサイクルを行っている再生パルプ専門メーカーの株式会社カミーノでは、折り紙再生グッズを世界に広めたいと「恩返紙プロジェクト」の活動を行っている。

リンク広島市八千代市カミーノ

2018/12/25

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カテゴリー「歴史・文化

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