このことは辞書にも載っていて、「カメ」の項に「洋犬のこと」と記載されている。
これは明治初期に犬と一緒にいる西洋人たちが飼い犬を呼ぶのに「Come here!」と言うのを「カメヤ」と聞き、「カメ」を犬の意、「ヤ」を呼びかけの意の「や」ととったことによる。日本では犬を呼ぶときに「ポチや、ポチや」などと言ったため、「カメや」から西洋の犬の名を「カメ」であると勘違いしてしまった。
1870年(明治3年)~1876年(明治9年)に刊行された戯作者・仮名垣魯文(かながき ろぶん、1829~1894年)の開化の風俗を描いた『西洋道中膝栗毛』には、「おれが面を見りゃア、異人館の洋犬(かめ)までが尻尾をさげる」という一文がある。
2018/12/4
カテゴリー「歴史・文化」