最高級のかんなは明治22年以前の鉄を使用

大工道具「かんな」(鉋)は、材木の表面を削って加工するための道具で、日本に昔からある道具の一つである。

かんな

そのかんなを使った日本最高峰の技術を見られるスターバックスがある。それは福岡県にある太宰府天満宮表参道店で、外観だけでなく、その店内も木で埋め尽くされている。使っている杉の木は合計2000本にもなる。1ミリの狂いもなく計算された木組みは釘や接着剤などを一切使っていない。

スターバックス太宰府天満宮表参道店
スターバックス太宰府天満宮表参道店

このように緻密な木造建築を可能にする日本の「かんな」は、切れ味も世界最高峰で、木材の表面を極限にまで薄く削ることができる。その厚さは0.003ミリでティッシュペーパーの約10分の1の薄さしかない。

かんなの切れ味の鋭さには材料に秘密があり、その材料には鉄道のレールや鉄橋、船のいかりの鎖などの廃材を使用している。意外にも最高級のかんなには最先端の製鉄技術で造られた鉄ではなく、1889年(明治22年)以前の鉄が使われている。その年は日本の鉄にとって大きな分岐点だった。

それは鉄の造り方が変わってきた時代で、明治22年以前の鉄は製鉄の燃料に木炭を使用していた。そのため、温度が上がりきらず、現在の鉄よりも不純物が多くやわらかい鉄だった。その後、燃料に石炭を使用するようになり、高い温度でより硬い鉄が造られた。しかし、良質な硬い鉄は、かんなを作る時のような叩いて伸ばす加工には向いていない。

そこで、不純物が多くやわらかい鉄を探してきて、地金の部分にやわらかい鉄を使用し、刃先には現在の硬い鉄を使用している。研ぐ時にはやわらかい鉄が研げるような構造で、研ぎやすく、鋭い切れ味を保つことができる。現在、わざわざ不純物の多い質の悪い鉄を造る必要はなく、手に入らないため、レールなどの廃材を探してかんな作りに利用している。

リンクWikipediaスターバックス

2018/12/27

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カテゴリー「歴史・文化

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