こたつでみかんを食べるのは冬の風物詩である。冬に旬を迎えるのは「温州みかん」などの「冬みかん」。一方、みかんには「夏みかん」もある。
「甘夏」などの品種がある夏みかんは5月頃から旬を迎えるが、美味しい夏みかんは冬に収穫される。1月頃のみかん畑では冬の寒空の下で夏みかんを収穫している。収穫したばかりの夏みかんは、そのままの状態だととても酸っぱい。
夏に食べる夏みかんの酸度は約1.3度だが、収穫したばかりの夏みかんの酸度は約1.8度。レモンの酸度が約2度なので、収穫したばかりの夏みかんはかなり酸っぱい数値である。収穫したばかりの夏みかんは酸度が高いため、貯蔵庫で保管され、「減酸」という工程で酸を抜いている。
冬に収穫された夏みかんは、自分の身を守る生存本能によって果実に含まれるクエン酸を消費する。夏みかんを貯蔵することで、旬を迎える初夏には減酸により酸度が低下する。その程よい酸味が夏みかんの甘さを引き立ててくれる。
旬の初夏まで樹になったままだと、春先に夏みかんの樹が芽や花をつける。この時、多くの栄養分を必要とするため、果実の水分や栄養分が吸い取られ、実がスカスカになってしまう。夏みかんをわざわざ冬に収穫するのは、実の詰まったみかんを減酸により美味しいみかんにするためである。
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2018/12/29
カテゴリー「食べ物」