火山が近くにない有馬温泉でお湯が湧く理由

日本三大名湯にも数えられる兵庫県の「有馬温泉」。日本で最も古い温泉の一つでもあり、遠い昔からお湯が湧き出している。

有馬温泉は日本書紀にも記載されているほど歴史は古く、豊臣秀吉など歴史上の有名人たちを魅了し続けてきた。有馬温泉には鉄分や塩分を多く含み、空気に触れると赤褐色になる「金泉」と、炭酸とラジウムが主な成分の「銀泉」がある。金泉は冷え症や関節痛に、銀泉は高血圧症に効くとされる。

金の湯

日本には多くの火山があり、多くの温泉がある。普通温泉の近くには火山があり、温められた地下水がお湯となって湧き出すが、有馬温泉のある近畿地方には火山がない。それなのになぜ温泉が湧き出るのか。

これには日本列島の下にあるプレートが関係している。太平洋側にあるフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートに沈み込む際に海水が一緒に引き込まれる。その海水は岩石の一部となり、地下60kmの地中にまで沈み込むと、マントルの熱で温められ、水蒸気となり地上で噴出する。その熱水が湧き出す場所が有馬だった。

有馬温泉の仕組み

有馬温泉のように火山性ではない温泉は「有馬型温泉」と呼ばれ、世界的にも珍しい温泉である。また、プレートに引き込まれた海水が有馬で温泉となって地表に出てくるまでに600万年以上の年月がかかるという。そのため、いま有馬で湧き出している温泉は約600万年前の海水ということになる。

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2018/12/30

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カテゴリー「地理・地名

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