バレーボール競技で使われるボール。意外に思われるかもしれないが、広島はバレーボールで世界一のシェアを誇る。
国際大会の公式球のメーカー「ミカサ」とシェアを分け合う「モルテン」は、本社がミカサは広島市安佐北区、モルテンは広島市西区で共に広島にある。つまり、世界中のバレーボールのほとんどが広島で作られている。広島のバレーボールが世界一なのは、江戸時代の武士のおかげである。
バレーボールが作られる工程を確認してみると、まず行うのはボールの中身となるゴムの加工である。ゴムをシート状にしてA4サイズほどの大きさにカットする。そのゴムを3枚重ねてプレス機で圧縮。それに空気を入れて膨らませると、加熱してボールの形を作る。
次にその上から糸を巻いて、形が崩れにくいように補強する。最後はなんと手作業で表面のパネルを貼り合わせる。こうして世界に誇るバレーボールが広島で作られている。そんなバレーボールが江戸時代の武士とどのように関係しているのか。
もともと中国山地は砂鉄がたくさん採れた場所で、古代から江戸時代にかけて発展した製鉄法「たたら製鉄」が非常に盛んだった。その技術を活かして広島藩の浅野家の武士が内職で針を作っていた。その針が次第に海外に輸出されるようになり、その帰りにアジアから生ゴムを輸入していた。
針産業とゴム産業がそろったことでボール産業に発展していった。つまり、江戸時代の武士が針の内職にはげんだおかげで、ゴム産業が栄え、世界一を誇る広島のバレーボール製造へとつながっている。
2019/2/16
カテゴリー「スポーツ」