「きじょうゆ」と「なましょうゆ」は漢字で書くと両方とも同じ「生醤油」となる。この2つにはいくつかの違いがある。
生醤油(きじょうゆ)は、もともと料理業界の用語で、原材料が「大豆・小麦・食塩」だけの醤油を意味し、「火入れ」がしてある。火入れとは、微生物の働きを失活させる加熱処理のことであり、加熱することで風味や色合いがよくなる。JASの規定では添加が塩のみという条件になっており、商品の原材料のラベルに「大豆・小麦・食塩」のみが表記されているものが生醤油(きじょうゆ)となる。これは他に味付けをしていない純粋な醤油という意味である。
一方、生醤油(なましょうゆ)は、加熱処理の火入れをしていない、搾りたての醤油を意味する。火入れをしない代わりに精密な「ろ過」をしていて、これにより微生物を取り除き、火入れをした時と同じように腐敗を防いでいる。加熱をしていないので、そのままの状態では風味が穏やかである。また、料理の際に加熱すると香りが立つのが特徴である。原材料は「大豆・小麦・食塩・アルコール」などであり、ラベルにもそのように表記される。
生醤油(きじょうゆ)と生醤油(なましょうゆ)にはこのような違いがある。生醤油(きじょうゆ)はあまり流通していないが、原材料が記載されるボトル裏面のラベルを見ることで確認ができる。また、生醤油(なましょうゆ)はラベルに読み仮名が表記されているので、表面のラベルを見ることで確認ができる。
2019/8/10
カテゴリー「食べ物」