「目抜き通り」(めぬきどおり)とは、人通りの多い通り、主要な通り、繁華街などの意味を持つ言葉で、賑やかな通りや場所を指す時に使われる。
「目抜き通り」の「目抜き」はもともと刀に由来する言葉で、刀の「目貫」(めぬき)が語源である。「目貫」とは刀身と柄(つか:握る部分)の両方の穴を通して固定するための金具である。刀身にある穴は目釘穴と呼ばれ、目を貫いて固定することから「目貫」と呼ばれた。
この「目貫」が折れてしまうと刀身が柄から抜けてしまうため、「目貫」は刀にとってとても重要な役割を果たしていた。その後、「目貫」は装飾金具としての役割が強くなっていった。
刀の中でも特に目立って中心的だということから、江戸時代には「目立つもの」や「目立つこと」を「目貫」と言うようになった。そして、街の中心にあり、華やかで目立つ大通りや賑やかな大通りのことを「目抜き通り」と呼ぶようになった。
「目抜き通り」という言葉は、明治時代以降、遅くとも大正時代には使われるようになった。語源である刀の「目貫」の意味とは少し違う形で使われるようになったことから、漢字も「目貫」から「目抜き」へと変わったとされる。
「目抜き通り」という言葉に関連して、2017年(平成29年)4月20日にリリースされた椎名林檎とトータス松本の楽曲に『目抜き通り』(The Main Street)がある。これは同日に銀座にオープンした大型商業施設「GINZA SIX」のテーマ曲として椎名が書き下ろした曲であり、日本有数の繁華街である銀座の魅力を表現したものである。
2019/10/8
カテゴリー「語源・由来」