天気予報でアイスの売上が上がる

進化を続ける天気予報によって、より正確な天気が分かるようになってきた。そんな天気予報を利用して売り上げを伸ばす企業も増加している。

気象観測を主に行う気象会社は、それぞれの企業のニーズに合わせた天気予報や観測データを提供している。その一つの活用方法が天気予報を使ったアイスの売り上げ予測である。

アイスの売り上げは、その日の天気や気温に大きく左右される。そこでアイスを販売する会社は、気象会社から天気や気温などの予測データをもらい、アイスの販売計画を立てている。特に天気予報が役に立っているのが、森永製菓の「チョコモナカジャンボ」である。

チョコモナカジャンボ

チョコモナカは製造から時間が経つと、アイスクリームの中の水分がモナカの皮に移行する。すると皮のパリパリとした食感が損なわれてしまう。特長であるパリパリ感を失わないために、チョコモナカは作りだめはせず、製造して5日以内に出荷される。

天気を見誤ることは会社にとって大きなリスクとなる。チョコモナカを作り過ぎて売れ残ると、店頭の商品はパリパリ感を失う。逆に生産量が少な過ぎると品切れを起こし、販売のチャンスを失う。如何にパリパリ感のあるチョコモナカを出荷できるかが重要となる。

長年、同社の担当者は生産量の調整に頭を悩ませてきた。そこで、2017年から日本気象協会と連携して、これまでの気象データをもとにチョコモナカの需要と天気の関係を解析した。そこから1週間ごとの3ヵ月先までの売り上げ予測を毎週立て、それを生産量の決定に役立てた。

その結果、作り過ぎや品切れを起こすことなく、パリパリ感のあるチョコモナカを全国に安定して供給できるようになった。その販売個数は2018年で1億5000万個以上であり、1個の価格は130円であったため、年間売り上げ金額は約190億円にも上る。このように天気や気温の予測データが、商品の売り上げアップに貢献している。

リンク日本経済新聞森永製菓日本気象協会

2019/11/23

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カテゴリー「生活・科学

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