カスタネットが赤と青の理由

カスタネット(castanets)は、スペインで発達した木製の打楽器である。日本では教育用の楽器として、赤と青のカスタネットが使用される。

カスタネット

カスタネットは、スペインの民族音楽に欠かせない楽器で、スペインの舞踊フラメンコなどに用いられる。指を細かく動かして演奏され、実は難しい楽器である。そこで、子どもにも簡単に使えるように日本で開発されたのが、指で挟んで、閉じるように音を出す「ミハルス」という楽器である。「ミハルス」という名称は、考案者である舞踊家「千葉みはる」の名前に由来する。

このミハルスを改良して、教育用のカスタネットが作られた。元々は小学生向けのリズムをとる楽器であった。この時、男の子用の「青色」と女の子用の「赤色」の2種類のカスタネットが誕生した。このカスタネットは、指で挟むミハルスとは違い、現在のような手のひらに乗せて叩く楽器となった。

しかし、男女で色を分けたことで製造業者にとって面倒なことがあった。それは発注されるカスタネットの数が青と赤でそれぞれ異なり、在庫の管理が大変だったのである。そして、これを解決する対策として、男女兼用の青と赤を合わせたカスタネットが誕生した。

カスタネットが赤と青の理由は、男女兼用の1種類にすることで効率よく在庫を管理するためであった。こうして誕生した赤と青のカスタネットは、学校用の教材として採用され、全国に広まっていった。ちなみに、赤と青は上下が決まっていて、音に大きな違いはないが、赤が下、青が上となっている。

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2019/11/17

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カテゴリー「生活・科学

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