「容疑者の似顔絵」は、目撃情報を基に作られる。しかし、犯罪捜査で使うこの容疑者の似顔絵はあえて似せていない。
これには合理的な理由がある。仮に、リアルに描いた完璧な似顔絵を作ったとする。すると、似顔絵に似た怪しい人を見たとしても「似顔絵の人とは違う」と判断して通報しない可能性が高い。
そこで、髪型や目、鼻、口、輪郭など顔の特徴をある程度押さえて、後は少しぼかすことで、「似顔絵の人かも」と思う多くの人が通報してくれる。つまり、あえて完璧ではないアバウトな容疑者の似顔絵にすることで、より多くの情報を集めることができる。そして、これが犯人の逮捕へとつながっていく。
ちなみに、捜査で使う似顔絵を描くのは、似顔絵を描くことに特化した「似顔絵捜査官」と呼ばれる警察官である。
指紋やDNA鑑定による科学捜査、監視カメラの画像解析など犯罪捜査のハイテク化が進む中で、作成された似顔絵の枚数は過去10年で約1.4倍に増加した。似顔絵は今でも容疑者特定の重要な役割を担っている。
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2019/12/15
カテゴリー「生活・科学」