新橋駅の「ん」のローマ字表記

新橋駅の「新橋」のローマ字表記は「Shimbashi」であり、「ん」のローマ字は「n」ではなく「m」である。

新橋駅

これに由来して、「新橋駅」の3(スリー)レターコードは「SMB」となっている。3レターコードとは、アルファベット3文字を用いて表現される駅名略称である。ちなみに、東京駅は「TYO」、秋葉原駅は「AKB」、上野駅は「UEN」、新宿駅は「SJK」、渋谷駅は「SBY」、池袋駅は「IKB」、品川駅は「SGW」となっている。

駅名のローマ字で、新宿(Shinjuku)、五反田(Gotanda)、東銀座(Higashi ginza)の場合は「ん」が「n」の表記となる。一方、新橋(Shimbashi)、日本橋(Nihombashi)、神保町(Jimbocho)の場合は「ん」が「m」となる。このように「ん」の表記には「n」と「m」の2つが存在する。

これはヘボン式ローマ字の中には、「b」「m」「p」の前にくる「n」を「m」にするというルールが存在するためである。英語でも「member」「hamburger」「combination」、「ammonite」「comma」「hammer」、「jump」「company」「simple」となる。

このルールに従って「Shimbashi」という表記になっている。この場合、英語圏の人には「n」より「m」のほうが読みやすく、また「n」の「Shinbashi」では違和感を感じるという。

「新宿」と「新橋」を声に出してみると、新宿(Shinjuku)は唇を閉じないで「ん」を発音する。一方、新橋(Shimbashi)は唇を閉じて「ん」を発音する。この発音上の違いを区別するために「n」と「m」を使い分けている。

ローマ字には、アメリカ人によって作られ、日本で広まった「ヘボン式」、日本人が使いやすいように提案した「日本式」、ヘボン式と日本式を組み合わせた「訓令式」の3種類がある。訓令式だと「ん」は「n」であり、ヘボン式だと「n」と「m」の使い分けが生じる。

つまり、新橋駅のローマ字表記が「Shimbashi」なのは、日本に昔からあるヘボン式を採用しているためである。訓令式の「Shinbashi」の表記もローマ字として間違いではなく、信号機横の交差点名や店の名前、サイトのURLなどに使用されている。

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2019/12/8

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カテゴリー「乗り物

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