飛行機の国際線や国内線の機内で提供される飲食物にはアレルギーを持つお客様に対応するために、主に2つの食材が使用できない。
1つ目は「蕎麦(そば)」である。日本では蕎麦アレルギーを持つ人がいることはよく知られているが、他の食品より微量でも、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こす可能性が高く、命にかかわる場合もある。そのため、蕎麦は食材として使用できない。
ちなみに、アナフィラキシーショックとは、急性アレルギー反応の1つで、アレルギーの原因物質に対して免疫が過剰に反応してしまい、複数の臓器に強いアレルギー症状が急激に表れることである。アナフィラキシーショックにより、血圧の低下や意識障害などのショック症状を引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもある。
そして、2つ目の使用できない食材は「ピーナッツ(落花生)」である。蕎麦アレルギーと同様に、微量でもアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある食材である。欧米ではアナフィラキシーショックを引き起こす代表的な食材として知られている。
このようにアナフィラキシーショックなどの危険がある食材として、全ての機内食において蕎麦と落花生は使用できない。また、アレルギーを持つ人のために7品目アレルゲン(小麦、蕎麦、乳製品、卵、落花生、えび、かに)を使用しない「7品目アレルゲン対応食」などの機内食も用意されており、事前に予約することでアレルゲン対応食に変えることができる。
また、ANAでは事前に予約することで、無料で24種類の機内食から頼むこともできる。食の好みは人それぞれであり、それに可能な限り対応したいと24種類にまで増えた。
例えば、ダイエット中の人向けの400kcalしかない「低カロリーミール」、肉や魚を食べない人向けの「ベジタリアンミール」、乳製品も食べない人向けの「ベジタリアンビーガンミール」、生野菜しか食べない人向けの「生ベジタリアンミール」、糖尿病の人向けの「糖尿病対応ミール」、流動食がメインの「胃腸疾患対応ミール」などがある。
2020/2/29
カテゴリー「乗り物」