誰にでも経験のある忘れ物だが、電車や駅構内には数多くの忘れ物がある。そして、持ち主が見つからなかった忘れ物はリサイクル販売される。
電車の忘れ物・落とし物は日本各地の大型ショッピングモールなどにおいて「鉄道忘れ物掘り出し市」のような名称で、激安セールとして販売される。電車の忘れ物は意外と身近なところで再利用されている。
例えば、人気ブランドのジャケットが2000円、モバイルバッテリーや帽子が800円、傘やメガネが300円などの安い値段で販売されている。とある忘れ物市での売り上げランキングは、第1位が傘、第2位が水筒・弁当箱、第3位が帽子となっている。忘れ物の定番である傘は、忘れる人が多い分、買う人も多いという結果である。
東京都の場合、電車の忘れ物は各鉄道会社に届けられ、その後、警視庁の遺失物センターに集められる。そこで3ヵ月間持ち主が見つからなかった場合、持ち主の所有権が失われる。そして、鉄道会社に戻された忘れ物は、「古物商許可証」と「東京都物品買入れ等競争入札資格」を有する特定業者に対して入札に出される。
入札は鉄道会社が定期的に開催しており、買取希望額が一番高い業者が買うことができる。傘だけの日や時計だけの日などジャンルごとの入札もあるが、様々なものが入った「雑品」が最も多い。そのため、多くの場合、リサイクル業者は何が入っているか分からない段ボール箱を買うことになる。
全く価値のないものも多い中で、売れるものを段ボール箱の中から探し出し、動作確認やクリーニング、修理などをすることで売り物にしている。落とし物の修復作業で最も大変なのは、値札や名前などのシールをはがす作業だという。
また、現在では傘の忘れ物が多いが、鉄道が開通したばかりの明治初期には草鞋(わらじ)・草履(ぞうり)・下駄(げた)などの履物の忘れ物が多かった。当時、室内に履物を脱いで上がるのが当たり前だった日本人にとって、列車に履物のまま乗ることは想像ができず、駅のホームには脱いで忘れられた履物が並んでいたという。
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2019/12/16
カテゴリー「乗り物」