漫画やアニメなどでよく描かれる「穴のあいたチーズ」だが、これはスイス名産の「エメンタールチーズ」である。
エメンタールチーズは同国を代表するチーズであり、「スイスチーズ」とも呼ばれ、同国のチーズ料理「チーズフォンデュ」に用いられる。そんなエメンタールチーズには「チーズアイ」と呼ばれる多くの穴があいている。
この穴があく理由については、チーズ界最大のミステリーとも言われ、長年その理由は分かっていなかった。そして長年の研究の結果、近年、その謎が判明した。
元々この穴は発酵による炭酸ガスの気泡が固まったものだと言われていた。その後、2015年に干し草が原因だという説が浮上した。牛乳を絞る際、気を付けていても微量に干し草の粒子が混ざってしまう。
それが牛乳の中で混ざると、その干し草の粒子が核の役割を果たして、そこに乳酸菌などが集まり、二酸化炭素が発生する。その炭酸ガスが出た部分に空洞ができるという説である。
工場などの干し草が混ざりにくい環境下で作られたチーズは、その穴が小さいことから、この説は信憑性が高いと言われている。この穴はエメンタールチーズの特徴であるが、近年では搾乳技術が進化したことで、干し草の混入が激減し、チーズの穴は減少傾向にある。
2020/1/7
カテゴリー「食べ物」