「草津温泉」の名前の由来

「草津(くさつ)」の地名には、「草津温泉」のある群馬県吾妻郡草津町の「草津」や、滋賀県南西部に位置する草津市の「草津」などがある。

ここでは草津温泉の「草津」の地名の由来について確認する。草津温泉は日本を代表する名湯の一つであり、草津は室町時代にはすでに大人気の温泉地だった。その温泉街には、中心部に湧く「湯畑(ゆばたけ)」を始めとする大小様々の源泉があり、町全体が湯煙に包まれている。

サンミー

草津温泉は昔から「万病に吉」や「恋の病以外なら治る」とも言われ、多くの湯治客を迎え入れてきた。江戸時代の温泉番付の格付では、西の有馬温泉と並んで、東の最高位である「大関」が定位置であった。

草津温泉の湯は、硫化水素の臭いが特徴的で、温泉の保温効果に加えて、強酸性による殺菌作用がある。その他、皮膚の刺激作用により切り傷から、ハンセン病、梅毒、皮膚病まで幅広い病の患者を受け入れてきた。

そんな草津温泉の「草津」という地名は、元々別の名前で呼ばれていた。温泉水の持つ強い硫化水素の臭いから、昔は「くそうず」や「くさうず」と呼ばれていて、これが現在の「草津(くさつ)」の由来となったという説がある。これらの呼び方は「臭い水(くさいみず)」という意味の「臭水(くさみず)」のことである。この名残で現在でも地元の人は「草津」を「くさづ」と読む。

「臭い水」と言うと今では良い印象を与えない表現だが、昔の人たちは強烈な臭いが邪気を払うと考えていた。まだ医学が発達していない当時、邪悪なものが取り付いて病気になると考え、人々は邪気を払う臭い水が湧き出る草津を訪れ、病気を治そうとした。

ちなみに、「上毛(じょうもう)かるた」の「く」の札では「草津(くさづ)よいとこ薬の温泉(いでゆ)」と歌われている。上毛とは群馬県の古称であり、このかるたは群馬県の歴史・自然・人物・産業などを読んだ郷土かるたである。

リンクWikipediaコトバンク

2020/3/30

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「地理・地名

関連記事