富士山が見えた東京の富士見坂

山梨県と静岡県に跨る富士山は日本の象徴とも言える。その富士山は東京から約100km離れており、東京から西南西の方角に位置する。

『名所江戸百景』の目黒新富士(歌川広重)
『名所江戸百景』の目黒新富士(歌川広重)

現在では東京都内のビルやマンションなどの高い場所から富士山を見ることが出来るが、以前の東京や江戸では坂の上などから普通に見ることが出来た。富士山が見える坂には主に「富士見坂(ふじみざか)」という名前が付けられ、現在もその坂が残っている。

東京23区には富士見坂と名前の付く坂が少なくとも16か所あり、別名で富士見坂と呼ばれる場合も含めると23か所以上ある。また、坂標が建てられている富士見坂は8か所という情報がある。

坂標がある富士見坂は、千代田区の富士見や港区の南麻布、文京区の大塚、荒川区の西日暮里、豊島区の高田、大田区の田園調布などにある。ただし、現在では高層マンションなどの建築物により、これらの富士見坂で富士山を見ることはほとんど出来ない。

その中でも西日暮里にある富士見坂は、江戸時代には桜の名所としても知られ、「花見坂」という別名もある。そして、富士山が見える坂として多くの人で賑わっていた。

西日暮里の富士見坂からの風景(過去)
西日暮里の富士見坂からの風景(過去)

この西日暮里の富士見坂は、2005年(平成17年)に国土交通省の関東地方整備局により「関東の富士見百景」に選定されており、2013年(平成25年)にマンションが建設されるまで、「ダイヤモンド富士」が見られる坂として都内でも特に人気のある富士見坂であった。

リンクWikipediaコトバンク国土交通省

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2021/8/19

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カテゴリー「地理・地名

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