人類が生きているこの地球では朝に太陽が昇り、夜に沈む。これは地球が自転しているためで、地球は地軸を中心に回っている。
地球が回っている理由は、「地球が生まれた時の惰性(だせい)」である。それは地球がどのようにして生まれたかに秘密がある。
地球が回っていることが分かったのは17世紀のことである。それまで地球は宇宙の中心に静止し、太陽や他の惑星が地球の周りを回っているという「天動説(てんどうせつ)」が信じられていた。
「それでも地球は動いている」という言葉を残したイタリアの物理学者・天文学者のガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei、1564~1642年)をはじめとする科学者たちにより、地球は太陽の周りを回りながら、地球自体も回っているという「地動説(ちどうせつ)」が証明された。
地球が生まれたのは今から約46億年前のことで、元々は太陽の周りに漂う塵(ちり)だった。塵の集まりである「微惑星(びわくせい)」がぶつかり合い大きくなることで地球が生まれた。この時の衝突が今地球が回っていることに関係している。
物と物がぶつかって合体する時に完全な正面衝突でない場合はそこに回転が生まれる。微惑星が地球にぶつかった時の勢いが地球が回転する勢いに変わった。特に重要なのが地球が完成する時に大きめの天体が地球の端にぶつかったことである。その時に生まれた回転の勢いが今でも残っている。
地球は生まれた時の惰性で今も回り続けている。しかし、遠い未来の話だが、いずれ地球はほとんど動かなくなる可能性がある。生まれたばかりの地球は今よりもずっと速く回っていて、約4時間に1回転していた。これは今の6倍の速さである。
その後、徐々に回転は遅くなり、今のように24時間で1回転するようになった。そして、今もどんどん遅くなっている。地球の自転が遅くなる大きな原因は、月による「潮汐力(ちょうせきりょく)」である。
月による潮汐力とは、月が地球を引っ張り地球を変形させる力で、海における潮の満ち引きも潮汐力が原因である。この潮汐力により地球は球体からラグビーボールのような形に変形し、また潮の満ち引きにより海水と海底との間で摩擦が発生する。これらが原因となり、地球の回転にブレーキをかけ、地球の回る速さは徐々に遅くなっている。
その遅くなる割合は、5万年で1秒、1億8千万年で1時間という気の遠くなるような話だが、1億8千万年後には1日の長さが25時間になることを意味している。このように地球は生まれた時の惰性で自転しており、その回転は徐々に遅くなっている。
2020/4/10
カテゴリー「生活・科学」