硬貨にだけ製造年の刻印がある理由

10円玉や100円玉、500円玉など日本の硬貨には、「平成31年」や「令和元年」のように製造された年が刻まれている。

百円硬貨

一方、お札には製造年の印字がない。硬貨にだけ製造年が刻印されているのは、明治時代の貨幣の特徴にその理由がある。

現在の貨幣と明治時代の最初の頃に製造された貨幣は意味が違っていた。明治時代の硬貨には実際に価値の高い金や銀が使われていて、製造年によって中に含まれる金属の量がかなり違った。

そのため、何年に製造された硬貨かによってその価値が違っていた。また、硬貨は金属であり簡単には損傷しないため、何十年という長い期間使用される。その長く使用される硬貨の価値を明らかにするために製造年を刻印するようになった。その名残で現在も製造年を刻印している。

一方、お札は紙であり硬貨に比べて傷みやすく、使用される期間は短い。お札は順次新しいものを製造して交換することを前提にしているため、製造年を印字する必要がない。これらは国立印刷局のサイトの「よくある質問」の回答にも記載されている内容である。

その他にも、長く使用される硬貨の交換時期が分かるように製造年を刻印しているという説や、お札は国立印刷局が印字された通し番号を見れば、いつ製造されたものか分かるため、製造年を印字する必要がないという説もある。

リンク国立印刷局Wikipedia

2020/4/11

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カテゴリー「生活・科学

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