「万歳(ばんざい)」とは、喜びや祝いの気持ちを表す動作などを意味する言葉であり、威勢よく両手を上げる動作などがある。
「万歳」をより強調して「万々歳(ばんばんざい)」と言われる場合もある。「万歳」は中国から奈良時代には伝来していたとされる古い言葉である。
平安時代末から鎌倉・室町時代にかけて盛んであった正月の祝福芸能やその演者、転じて長寿を祝う言葉であった「千秋万歳(せんずまんざい・せんじゅまんざい)」の後半に由来するという説もある。「万歳」は元々「まんざい」や「ばんぜい」と読んでいて、「ばんざい」という読み方になったのは明治時代に入ってからである。
「万歳」はその字の通り「万の歳」で、「一万年」であり「長い年月」という意味だった。さらに、そこから「いつまでも生きて栄えることや、それを祝い、願うこと」という意味で使われるようになった。
この言葉は中国の皇帝に対してのみ使われた言葉で、最初に使われたのは不老不死を願った秦の始皇帝(紀元前259~210年)だと言われている。日本でも元々「万歳」という言葉は天皇の治世(ちせい:よく治まっている世の中)の長さを祝う言葉だったが、その後にめでたいこと全般を祝う言葉としても使われるようになった。
ちなみに、日本において「ばんざい」と発音するようになったのは、大日本帝国憲法発布の日、1889年(明治22年)2月11日とされる。この日、明治天皇の馬車に向かって初めての万歳三唱が行われた。これに由来して2月11日は「万歳三唱の日」となっている。
2020/4/15
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