「春秋に富む」の意味・由来

「春秋に富む」(しゅんじゅうにとむ)とは、「年齢が若くて、将来性がある」という意味の言葉である。

この場合の「春秋」は単に「春と秋の季節」という意味ではなく、「春秋」で「一年」を表す言葉であり、そこから「年月」や「年齢」という意味を持つ。そして、この「年月」はすでに経験した時間ではなく、未来の時間のことである。

そのため、「春秋に富む」は「年老いて経験が豊富」という意味ではなく、「年が若くて将来が長い」という意味である。そこから、「若くて、将来性がある」「将来が希望に満ちている」という意味で使われる。

この「春秋に富む」という言葉は、中国の紀元前の歴史書『史記』(しき)に登場するとても古い表現である。また、明治時代の歌人・詩人である石川啄木(いしかわ たくぼく、1886~1912年)の小説『菊池君』(きくちくん)の中に、「今の若い者は、春秋に富んで居る癖に惚れ方が性急(せっかち)だ」という一文がある。

「春秋に富む」とは逆に、「年老いている」「年齢が高い」という意味で「春秋高し」(しゅんじゅうたかし)という言葉もある。

リンクコトバンク青空文庫

2020/4/5

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